プリウス、次モデルはEV? 自動車評論家・国沢光宏さんが語る未来
トヨタ自動車が16日に新型を発表したプリウスは、どのような道をたどってきたのか。脱炭素の流れが加速する中で、新型プリウスはどんな存在になっていくのか。自動車評論家の国沢光宏さんに聞きました。
――初代プリウスはどんな車でしたか。
初代プリウスを1997年に買いました。当時は信頼性や耐久性がなく、(電流を変換する)インバーターはすぐに壊れてしまった。でもトヨタはすぐに修理できる態勢をとっていたので、お客さんの信頼を勝ち得ました。ハイブリッドシステムの他にも、「回生ブレーキ」といって、走っているエネルギーで電気を生み出して充電する技術もそれまでありませんでした。本当に、技術の塊のような車でした。
当時よく言われたのは、自動車という道具を発明したのは欧州、自動車の大量生産をしたのは米国、自動車のエネルギー効率を大きく引き上げたのは、ハイブリッドシステムをつくった日本だと。「自動車の三大発明」と言われるぐらい、画期的な技術でした。
――最初の頃のプリウスの売れ行きは。
乗り味が良くないとか、車両価格が高いとか言われて、最初はそれほど売れませんでした。ところが、米国で燃料価格が上がったことから2003年に発売された2代目が一気に売れ始めました。09年に発売された3代目は最初から絶好調で、納期が遅れるくらい世界的に売れまくりました。でも4代目はあまりにもデザインが格好悪いうえに、後部座席が狭いとか、荷物をたくさん載せられないとか評判が悪かったです。あそこまでモデルチェンジで失敗した車は、あまりありません。
――今回の5代目はどうですか。
ガラッと方向性を変えました…