第8回小野寺元防衛相に聞く 敵基地攻撃着手の厳格化、「手の内をさらす」

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松山尚幹 田嶋慶彦
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 政府の安全保障関連3文書改定に向けた議論が大詰めを迎えている。「敵基地攻撃能力(反撃能力)」の保有や防衛費の増額などを政府に提言してきた自民党。提言のとりまとめ役を担い、現在は与党協議のキーマンでもある小野寺五典・元防衛相に、改定の方向性を聞いた。

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岸田政権は年内に外交・防衛政策の基本方針「国家安全保障戦略」など三つの文書を改定します。今回の改定は日本の安全保障の大転換になるかもしれません。改定に関わる関係者、有識者に様々な視点から聞きました。

 ――相手のミサイル発射拠点などをたたく「敵基地攻撃能力」の保有について、自民党は4月の提言で「反撃能力」と名称を変えた上で保有するよう政府に求めました。なぜ必要なのでしょうか?

 「(日本に向かってくるミサイルを撃ち落とす)ミサイル防衛も必要ですが、2発目、3発目を撃たせないための反撃能力があった方が、より抑止力が強まります。反撃能力があると、相手は撃つことをためらうほか、撃った後に一度身を隠し、続けざまに自由に撃つことができなくなります。その方がミサイルを撃ち落としやすくなるのです」

 ――日本が攻撃するには、日…

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