2歳児死亡、吉村知事「どっちに責任ではない」 対策に顔認証活用へ

川田惇史
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 大阪府岸和田市で、保育所に送り届けるのを忘れられた2歳の女児が、父親の乗用車内で死亡した事案について、大阪府の吉村洋文知事は16日、記者団の取材に「保育士さんの責任だというのは違うと思う」とし、「どっちに責任があるというのではなく、(今回のような)エラーチェーンを断ち切る仕組みを考えることが大事だ」と述べた。

 今回の事案をめぐっては、保育所が女児の無断欠席を認識しながら、保護者に確認していなかったとされている。小倉将信こども政策担当相は15日の記者会見で「一義的には保護者の責任」としつつ、「保育園の方で登園管理をしてくだされば救えた命だと思っている。園の責任は重い」と話していた。

 吉村氏は、小倉氏の発言に「(今回は)エラーが重なって、本当に尊い命が失われてしまってる」と指摘。「(保育所には)連絡してほしかったが、保育所外で起きたことを、保育士さんの重い責任だというのは、僕は違う」と語った。

 その上で今後、大阪府と岸和田市の共同で、顔認証技術を活用した登園管理の実証実験に取り組んでいくと説明。登園の状況を保護者らにメールなどで知らせる仕組みを検討しており、今年度中にも同市内で始めると明らかにした。

 吉村氏は、送迎バスの園児置き去り防止や保育士の事務作業の負担軽減にも活用できるとの考えを示し、「(小倉氏に)実証実験で効果があれば全国展開するように要望書も提出する」と話した。(川田惇史)

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