「非選抜」を歩んだ私の11年 劇場ステージでやっと見つけた居場所
福岡を拠点に活動するアイドルグループ「HKT48」を、「座長」の愛称でファンに親しまれた一人の1期生が卒業する。シングル曲での選抜はわずか2回で、結成当初から11年にわたる活動のほとんどは「非選抜」。居場所を探し続けてきた。
千葉市の幕張メッセで10月16日に開かれた11周年記念ライブ。アンコールの最後、現シングル曲のセンターを務める3期生の矢吹奈子さん(21)が、来春に卒業することを発表した。
突然の発表に泣き崩れる同期や後輩メンバーもいた。そんな彼女たちを優しく抱きしめたのが、1期生で12月に卒業する下野由貴さん(24)と、5年あまりにわたってチームキャプテンを務めてきた本村碧唯さん(25)だった。
6期生までメンバー計53人のうち、1期生は2人。とくに下野さんはダンス、歌、さらに小学5年生もいる加入間もない6期生のトークコーナーの司会も任されるなど、ライブで幅広い役割をこなした。
最初から器用だったわけではない。
2011年11月、福岡市の…