「関東バス」違い SNSの投稿巡り、宇都宮の会社に思わぬ余波

津布楽洋一
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 「関東バス」の愛称で知られる宇都宮市のバス会社「関東自動車」が、同社にまったく関係のないトラブルに巻き込まれ、火消しに追われた。きっかけはSNSに投稿された1本の動画だった。

 問題の動画は3日にツイッターに投稿された。「路上駐車してたらバスの運転手にクラクション鳴らされまくって怖かった」という書き込みで、1万件以上、リツイートされている。

 一般車のドライバーと同乗者とみられる男性が、バスの運転手と「バックしろよ」「おまえなんだよ、その口の利き方」などと大声で言い合いをしているようにみえる。

 東京のバス会社「関東バス」は取材に、動画に映っているのが同社のバスであると認めた。ツイッターでは、路上駐車をした一般車側を批判する意見が目立つが、同社はクラクションや言葉遣いが適切ではなかったとして、バスの運転手を指導したという。

 思いも寄らぬ余波を受けたのが関東自動車だ。投稿には「関東バス」というハッシュタグ(#、キーワードを示す記号)がついていた。関東自動車の運転手と誤解した人たちが少なくなく、関東自動車には動画の投稿直後から、約20件の意見が寄せられた。

 関東自動車は「関東バス」の名称をバス停の表記やイベントの告知でも使い、栃木県民の間でも「関東バス」で通っている。

 通常であれば、栃木と東京の会社を混同することはほとんどないが、インターネットでは距離感が乏しく、栃木や東京以外に住む人たちも目にするため、宇都宮市の「関東バス」のトラブルと誤解した人が少なからずいたようだ。

 同社は勘違いを放っておくわけにもいかないとして、10日に公式ツイッターで「当社の事案ではございません。コメントなどの際はご確認いただきますようお願いいたします」とツイートした。

 このツイートに対しては「御社と思ってた」「都内にも関東バスがあるの知らなかった」「とばっちり」「やっぱり違った。栃木のバスの運転手は素敵」といったメッセージが寄せられている。(津布楽洋一)

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