ウクライナとの国境に近いポーランドの村にミサイルが着弾し、2人が死亡した。今回はウクライナ側の迎撃ミサイルだった可能性が高まっているが、これを機に、仮に北大西洋条約機構(NATO)の加盟国が攻撃を受けた場合、米国やNATOがどう対応するのかが注目されている。米国の外交政策や安全保障を専門とするカンザス州立大のマイケル・フリン准教授に聞いた。
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今回の着弾の詳しい背景は不明だが、軍の関係者や専門家らはずっと、何らかの事故が起きる可能性を懸念してきた。ロシアは15日だけで、100発程度のミサイルをウクライナに向けて発射したとされる。これだけの大規模な攻撃をすれば、何らかのミスや事故が起きる機会も増えるのが当然だ。
NATOは加盟国間の協力と協議を重視し、あらゆる種類の意思決定に高いハードルを設けてきた。多くの決定において、全会一致を原則とする傾向がある。NATOによると、北大西洋条約第4条(に基づく協議)が発動されたのは、過去に7回。決して多くはない。
協議や合意を重視するということは、NATOがどのような行動を取るにしても、内部の多くの支持が必要になるということだ。米国は最も裕福で、最も大きな軍隊を持つ重要メンバー国だが、ロシアとの直接衝突に発展するようなことには非常に慎重だ。
ウクライナ戦争の初期に飛行…

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