そばに理解者がいてくれた 成長期の悩み克服したラグビー代表の新星
ラグビーの日本代表デビューからわずか1年。
チーム最年少のロック、ワーナー・ディアンズ(20)=BL東京=は、桜のジャージーになくてはならない存在に急成長している。
「流経のワーナーから、日本のワーナー、世界のワーナーになった」
恩師でもある千葉・流通経済大柏高の相亮太監督(41)は感慨深げに話す。
母国であるニュージーランド(NZ)との一戦では、キックチャージから値千金のトライを奪った。完敗した先のイングランド戦でもチームトップの12タックルを決めた。
身長201センチ、体重117キロの体をフルに使い、世界の強豪との肉弾戦を堂々と渡り合っている。
父グラントさんがNEC(現・東葛)のコーチに就任したのを機に、中学生の時に来日した。ラグビーはNZで小学生の頃からしていたが、あくまでシーズンスポーツの一環だった。日本で通っていたインターナショナルスクールではバスケットボールをしていた。
来日後、ラグビーはスクールで週1回程度。相監督の初対面の印象は「素人同然だった」という。
「動きがぎこちなくて、球についていけない。グラウンドの真ん中でおろおろしている子でした。今の姿は全然、想像できなかった」
体の線も細く、熱心にスカウトする対象ではなかった。
グラントさんが日本の高校で息子にラグビーをやらせたいと希望していたこと、本人が真面目にラグビーに取り組みたいと考えていたことから、受験を経て入学した。
しかし、相監督は彼に大きな期待をかけていたわけではなかった。
ただ、入学式の日に驚かされた。
ディアンズと向き合った時だ…