孤独や仕事の悩み…男性向け電話相談、全国に79カ所 相談員不足も

伊藤和行
[PR]

 男性専用の電話相談窓口が近年急速に増え、今年3月現在で全国37都府県の計79カ所にあることが、内閣府男女共同参画局のまとめでわかった。孤独やDV、仕事、家庭の悩みなどが次々に寄せられている。旧来の「男らしさ」を求められ、生きづらさを感じる人がいることも注目を集めている。19日は男性の心身の健康について考える「国際男性デー」。

 内閣府によると、窓口は一部で面接相談もあるが、多くは電話相談で、週1~2回ほど、受付時間を設けて相談に応じている。

 ただ、相談員のなり手が不足していたり、開設していない自治体があったりする。内閣府は、家族のあり方が多様化し、男性の悩みも変化してきているとして、男性の望まない孤立を解消するために相談窓口を拡充したい考え。今後整備を進める自治体へ交付金の支援を検討している。

「性」や「生き方」の相談多く

 民間では全国に先駆けて1995年、「『男』悩みのホットライン」が開設された。毎月第1、第2、第3月曜日の午後7~9時の受付時間は、電話が鳴りっぱなしだ。

 運営する「日本男性相談フォーラム」(大阪市)によると、95~21年度、計2874件の相談を受け付けた。相談以外に、無言電話もたくさんある。相談員は1件、1件じっくり聴くため、すべての電話に応じられていない状況だという。

 センターがこれまでの相談内容を分類したところ、最多は、性器や性的嗜好(しこう)などに関する「性」で1087件(37・8%)、「性格・生き方」が555件(19・3%)、「分類困難」が248件(8・6%)、「夫婦」が235件(8・2%)、「仕事」が220件(7・7%)などと続いた。

 一方、代表理事で臨床心理士の福島充人(みちひと)さん(39)によると3年ほど前から、どこに分類すればいいのか悩む「分類困難」が増えているという。18~21年度の「分類困難」の割合は20%強(計99件)に上った。

「しんどさを手放す」

 「答えを求めているというよりも、『誰かと話がしたかったのかもしれない』という印象を受ける電話が増えています」と福島さん。コロナ禍でその傾向がより出ているといい、「男性は社会から『強さ』を当たり前のように求められてきました。でも、仕事や家族のあり方が変わる中で価値観が揺らぎ、しんどいと思う男性が増えています。しんどさを我慢するのではなく手放すことで、楽に生きられることを知ってもらいたい」と話す。

 全国の相談窓口一覧は、内閣府のサイト(https://www.gender.go.jp/research/joho/index.html別ウインドウで開きます)で確認できる。(伊藤和行)

Think Gender

Think Gender

男女格差が先進7カ国で最下位の日本。生きにくさを感じているのは、女性だけではありません。だれもが「ありのままの自分」で生きられる社会をめざして。ジェンダーについて、一緒に考えませんか。[記事一覧へ]