「女性にもチャンスがある」に違和感 地元を離れ、戻らぬ若者たち

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堀越理菜
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 東京で就職したい、でも、地元の企業もみておこう――。

 大学3年生のとき。熊本市に住む女性(21)はそう考えながら、就職活動にあたっていた。

 複数の地元企業が集まる説明会や就活生向けの座談会があり、参加した。

 そこで、ある地元企業の社員が発した言葉が引っかかった。

 「女性にもチャンスがある」

 本当に女性にチャンスがある会社なら、こんな言い方をするかな?

 とってつけたような言葉に聞こえ、直感的に「違う」と思った。

 育休後の女性の復帰率についても聞いてみたが、明確な答えは返ってこなかった。

 そもそも、めざしていた人材や広告系の業界の選択肢は、熊本県内にほとんどない。ワクワクできる職場にも、出会えなかった。

 結局、エントリーシートを出した40社のうち、ほとんどは東京の会社で、県内は1社だけだった。

 春から、東京に本社がある人材教育コンサルティング会社で働く。

 いつか地元に戻って自分の経験を還元したいという思いも抱きつつ、熊本を離れる。

 全国の地方都市と同じように、熊本県でも若者の県外流出が課題だ。とくに、女性の流出が目立つという。

 なぜなのか。

 熊本市内の高校を卒業した女性(26)は、東京の大学に進学した。

 就活時に熊本に戻る選択肢は、「ゼロではなかった」。

パートナーは関東出身、帰郷は「現実的では…」

就職や進学を機に上京し、そのまま地元には戻ってこない……。そんな女性たちの実情を取材し、人口動態の専門家にもその背景について話を聞きました。

 それでも、就活のしやすさや…

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