いじめ関わった生徒の氏名、地裁が遺族への開示を命令 高3自殺訴訟
いじめが原因で自殺したとして、熊本県内の県立高校に通っていた女子生徒(当時17)の遺族が同級生や県に計約8340万円の損害賠償を求めた訴訟で、熊本地裁が県に対し、県の第三者委員会がまとめた調査報告書について、いじめに関わったとされる同級生らの氏名の黒塗り部分を開示して提出するよう命じたことが分かった。県は命令を不服とし、福岡高裁に即時抗告している。
訴状によると、女子生徒は2013年4月に亡くなった。2年生のときからいじめを受け、3年生への進級時の春休みなどに、5月にある体育大会に向けたダンスの練習で「なんで踊れんと」「泣いてどげんなっとや。お前が踊れんとが悪かろがー」などと暴言を浴び、繰り返しみんなの前で1人で踊らされるいじめを受けた。その後、つらさを訴えるメモを残して自殺した。
大学教授や弁護士らで構成する、県いじめ調査委員会は15年1月に「いじめが自死の要因の一つになったものと考えられる」とする報告書を答申したが、女子生徒の両親に渡された報告書では、いじめに関わったとされる同級生らの氏名は黒塗りされていた。
熊本地裁、遺族の心情を考慮
遺族は女子生徒の友人らへの…