ツナ缶に虫混入、はごろもフーズの下請け会社が控訴 賠償請求訴訟

小山裕一
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 はごろもフーズ(静岡市)が「ツナ缶に虫が混入してブランドイメージが傷つけられた」などとして、下請け会社の興津食品(同市)に損害賠償を求めた訴訟で、興津食品は17日、約1億3千万円の支払いを命じた静岡地裁の判決を不服として東京高裁に控訴した。興津食品の池上浩司社長と代理人弁護士が記者会見をして明らかにした。

 訴状によると、はごろもフーズが発注し、興津食品が製造後に山梨県内のスーパーで販売されたツナ缶に虫が混入していたことが2016年10月に発覚。はごろもフーズは報道などでブランドイメージが傷つき、16年11月から翌年3月末までに「家庭用シーチキン」の売上高が想定を約17億円下回ったと訴えていた。

 池上社長は会見の冒頭で「商品に虫が混入し、お客様や販売したスーパー、消費者の皆様に不快な思いをさせてしまい、おわび申し上げます」と陳謝した。ただ、「はごろもフーズの担当者が『虫が入った経路を調査して回答する』とスーパーに約束したのに、なかなか連絡しないなど、はごろもフーズの対応にスーパー側が不信感を持った」と指摘し、「はごろもフーズの事後対応のまずさが問題を大きくした」と主張した。

 代理人の増田英行弁護士によると、判決ではクレーム対応の緊急対応コールセンター費や商品の返品にかかった経費、16年11~12月の売り上げ減少分の粗利の2割程度など計約1億3千万円を、興津食品がはごろもフーズに支払うように命じたという。増田弁護士は「健康被害が生じない偶発的な異物混入に対して、下請けがどこまで責任を負うべきかを控訴審で問いたい。下請け企業を使って利益を上げている大企業が、損失だけは下請けに転嫁することが公平なのか疑問だ」と述べた。

 興津食品の控訴について、はごろもフーズは「回答を差し控えたい」とコメントしている。(小山裕一)