第5回小規模取引、インボイスなしでも控除可能へ 政府・与党が検討

筒井竜平
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 来年10月に導入される消費税インボイス制度について、政府・与党は少額取引の場合はインボイスがなくても税額控除できるようにする期限付きの特例措置を設ける方針を固めた。対象の取引額は1万円未満とする案が浮上している。制度の導入に伴う小規模事業者の負担を軽減する狙い。

 インボイスは、品目ごとの税率(8%か10%)を明記した請求書。来年10月から、事業者が消費税を納める際、仕入れにかかった税額を控除するにはインボイスが必要になる。

 事業者の会計管理がデジタル化していない場合、納税額を把握するには手作業でインボイスを確認する必要があり、事務負担が重くなる懸念がある。

 政府・与党は数年間に限り、一定額以下の取引については、従来通りインボイスなしで控除を認める方向だ。期間や対象取引額などの詳細は、今後の与党税制調査会で詰め、12月中旬にまとめる与党税制改正大綱に盛り込む。

 取引額については「1万円未満」とする案のほか、一部業界からは「3万円未満」とする要望がある。ただ、額が大きくなるほど、正確な納税を促すインボイス制度の目的に逆行しかねない。

 特例措置の対象となる事業者は絞られる見通しで、年間売上高が1億円以下の事業者に限るとする案が上がっている。

 政府は、補助金などを使って会計管理のデジタル化支援を進めていく考えだ。今後、デジタル化が浸透して事業者の事務負担が軽減すれば、特例措置は必要なくなるとみている。

 インボイスを発行できるのは消費税の納付義務を負う「課税事業者」に限られる。義務がない売上高1千万円以下の「免税事業者」は発行できず、取引先から敬遠される懸念が広がっていた。インボイスがなければ取引先は税額控除できず、税負担が増すためだ。特例措置が実現すれば、こうした懸念は当面和らぎそうだ。

 財務省などの推計によると、国内には約800万の事業者がおり、うち約500万が免税事業者とされる。筒井竜平

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    能條桃子
    (NoYouthNoJapan代表)
    2022年11月20日22時17分 投稿
    【視点】

    インボイス制度への反対の声は、当事者の中で非常に強くあり、「STOP!インボイス」など当事者の声を集めた活動も活発に行われています。 「対象の取引額は1万円未満とする案が浮上」「制度の導入に伴う小規模事業者の負担を軽減する狙い」とあります

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