料理屋で迫られた「この場で返事を」 翠富士を生んだ恩師の後押し
内田快
(18日 大相撲九州場所6日目 ○正代《押し倒し》●翠富士)
身長171センチ、体重114キロと小柄な翠(みどり)富士が、一回り大きな正代の胸に頭をつけて、懸命に寄る。
場内が沸く。
土俵を割らせるまであと2、3歩まで詰めよりながら、体を入れ替えられ、押し倒された。
「大関、めっちゃ強かったですね」
初の結びを終え、花道を引き揚げてきた26歳は、予想に反して、笑顔だった。
中学生のとき、相撲から離れた時期があった。
「一緒にがんばろう」と声をかけてくれたのが、静岡・飛龍高相撲部の栗原大介監督(46)だった。
「技の切れる子で、小学生のときから代名詞の肩すかしはできていて」。やめるのは惜しいと引き留めた。
高校入学時の体重は55キロほど。一度に多くは食べられないタイプで、小分けにして口に入れた。3年間で約30キロ増量した。
2年の全国高校選抜大会では、埼玉栄高2年だった貴景勝(現大関)をひねって転がした。
関西の強豪近畿大に進んだも…
この続きは朝日新聞デジタル会員限定です。残り666文字
1カ月間無料の「お試し体験」で記事の続きを読んでみませんか?
会員限定の有料記事が読める!
多彩なコメンテーターがニュースを深堀り
いま話題の最新ニュースもメールでお届け