異例のW杯、手放しに楽しめない理由 資源マネーが洗い流す人権問題

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編集委員・稲垣康介 ドーハ=飯島健太
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 史上初めて中東で開かれるサッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会は20日(日本時間21日午前1時)に開幕戦がある。一度も本大会に出たことのない小国で、しかも、6~7月に開いてきた慣例を破っての異例の季節の祭典だ。

 なぜ、カタールはスポーツに入れ込むのか。

 面積は秋田県ほど、人口は約300万。世界有数の埋蔵量を誇る天然ガスの輸出で潤う富裕国だが、資源依存はリスクにもなる。

 そこで、持続的な国をめざす「国家ビジョン2030」を08年に発表。人材、社会、経済、環境が柱で、スポーツイベントの招致は、国際社会での知名度を高めるにはうってつけだ。

 06年にアジア大会を成功させた首都ドーハは16年五輪招致を狙ったが、08年の1次選考で落選した。米国テレビ局が支払う巨額の放送権料が背景にあった。

 国際オリンピック委員会(I…

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    井本直歩子
    (元競泳五輪代表・途上国教育専門家)
    2022年11月21日6時57分 投稿
    【視点】

    過去20年のほとんどを発展途上国で過ごしてきましたが、テレビでオリンピックが観れなくても、ワールド杯サッカーはどの国でも観ることができました。この投稿をしている今も、南部アフリカのモザンビークの首都から車で8時間ほど離れた片田舎のバーで開幕

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