妻とは不仲、趣味の合う独身女性が気になる…上野千鶴子さんの助言は

有料記事

[PR]

悩みのるつぼ 相談者

 上野先生、ご指南ください。

 50代の営業マン、唯一の趣味は競馬です。若いときから猛烈に働き、おかげでマイホームを持ち、子どももふたり、まもなく大学卒業。親業から解放されます。子どもは可愛く、小さいときから忙しい合間をぬっていっしょに遊んできました。

 ただ妻とはささいなことで口論となる日常で、けんかが絶えませんでした。別れ話もありましたが、子どもに不自由させたくない一心で踏みとどまってきました。妻とは20年以上寝室も別。会話もほとんどありません。とはいえ、子育てをともにしてきた点で妻に感謝の気持ちもないわけではありません。先生がよくおっしゃる「愛はないが情はある」と言う関係です。

 最近、営業得意先の独身中年女性が気になっています。競馬の話で盛り上がるからです。まだ連絡先を交換してもいませんが、一度一緒に競馬に行きたい。彼女との関係を妄想し、悩みます。今の家族関係を壊す勇気はないし、彼女と不倫関係になるのも会社関係に影響するのではないかと怖い。自分も「おひとりさま」ならどんなにいいだろう。自分の煮え切らなさとずるさに嫌気がさします。

 私は競馬趣味の合う彼女とどのような関係を築けば良いでしょうか。淡い恋心に似た感情でお付き合いすることは、「不倫」として社会からバッシングされてしかるべき行為でしょうか。

回答者 社会学者・上野千鶴子さん

 もうじき親業卒業ですか。ごくろうさまでした。競馬が趣味でも、それで借金を作ったり身を持ち崩したりすることもなく、ささやかな娯(たの)しみにとどめる自制心をお持ちだったんですね。マイホームを建て、子どもを可愛がり、教育を与えて……ご立派です。

 親業卒業の時期は卒婚の時期…

この記事は有料記事です。残り825文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
今すぐ登録(1カ月間無料)ログインする

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません