APEC首脳宣言、激論経てG20そのまま ウクライナの戦争を非難
若井琢水 バンコク=福山亜希 半田尚子 翁長忠雄
タイの首都バンコクで開かれていたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議は19日、「ウクライナにおける戦争を強く非難する」などの文言を盛り込んだ首脳宣言を採択し、閉幕した。参加した日米ロなど21の国・地域はロシアによるウクライナ侵攻を巡る意見で対立したが、16日に出された主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)の首脳宣言を踏襲することで、宣言の採択にこぎつけた。
2日間の会議ではウクライナ問題を巡って、日米など西側諸国とロシアや中国の間で意見の違いが浮き彫りになっていた。日米などはウクライナ侵攻を非難し、侵攻によって食料やエネルギー危機が生じたと主張していたとみられる。一方、東南アジア諸国などはロシアを直接非難することを避け、首脳宣言の採択に向けて調整が続いていた。
ある加盟国の政府高官によると、意見の隔たりが埋まらないことから、首脳宣言の採択を優先させ、G20サミット首脳宣言で使われたウクライナ問題に関する表現を、APECの首脳宣言でも受け継ぐことで合意した。
採択された首脳宣言は、ウク…