全土奪還は難しい?米国から停戦交渉を促す声 ウクライナは否定的
南部ヘルソン市などを奪還して攻勢を維持するウクライナに、ロシアとの停戦交渉を促す声が、米国内で表面化している。背景には「全土奪還」の現実的な見通しの厳しさや支援疲れがある。ただ、ウクライナは領土が占領された状態の固定化を恐れ、徹底抗戦の姿勢を崩していない。
「ロシアは多くの死傷者を出し、戦車や戦闘機も大量に失っている。交渉は自分が強い立場にあり、相手が弱っているときに行いたいものだ」
米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長は16日、国防総省での記者会見でこう述べた。
ミリー氏は、ロシアはウクライナの領土の約2割という「狭くない土地」を占領しているとして、「軍事的にロシアをウクライナから追い出すというのは非常に難しい課題だ。この先数週間でそうなることはないだろう」と指摘。一方で、「ロシアが撤退するという政治的解決はありうる」として、気温が下がり、戦術的な作戦がとりづらくなる冬は「少なくとも政治的解決を探る協議を始める機会にはなりうる」と語った。
米国では最近、外交的な解決を望む声が表に出てくるようになった。
米紙ワシントン・ポストは5…
- 【視点】
ミリー氏の「軍事的にロシアをウクライナから追い出すというのは非常に難しい課題だ。この先数週間でそうなることはないだろう」、「ロシアが撤退するという政治的解決はありうる」、(気温が下がり、戦術的な作戦がとりづらくなる冬は)「少なくとも政治的