20日に中東のカタールでサッカー・ワールドカップ(W杯)が始まります。中東地域としても初開催となり、世界の注目を浴びる小国は、日本とも深い関係があります。どのような国なのか、解説します。
Q カタールはどんな国なの?
A 国の面積は秋田県よりやや狭くて、人口は約290万人の小さな国だよ。人口のうち9割は、南アジアやアフリカ出身などの外国人労働者とされる。ペルシャ湾に突き出た半島にあって、夏場は気温が40度以上になるんだ。雨はとても少なくて、大部分は砂漠が広がっている。
Q 厳しい環境だ!
A でも、天然ガスや石油の輸出を支えに、経済は成長してきた。天然ガスの埋蔵量は世界3位で、日本は最大の輸出先の一つだ。昨年の1人あたりの国内総生産(GDP)は6万9千ドル(約960万円)で世界8位。7位の米国と同じぐらいで、27位の日本の1・75倍だった。
天然資源の輸出による収益があるので、自国民は所得税を払う必要がないし、電気や水道、教育や医療といった費用も、無料やそれと同じぐらいの安さで済んでいるんだ。
Q 国の成り立ちやいまの状況は?
A 19世紀半ばにアラブの…