突然閉まった街のスーパー 今や「買い物難民」は大都市周辺の問題

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島脇健史
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 地域で唯一のスーパーが突然、消えた――。大阪府内で地域密着型のスーパーが10月に突如閉店して、周辺に住む高齢者が「買い物難民」となり、行政などが問題解消に乗り出す事態になっている。専門家は「大阪だけではない、深刻な問題の始まり」だという。

 「この辺りの高齢者はみんな困っている。この間まで、お店は高齢者がいっぱいで繁盛してたのに」。シャッターが下りたままのスーパー「ツジトミ」の前で、交野市の70代女性は戸惑っていた。

記者サロン「どうする?買い物難民~ニュータウンのいまを考える~」2月24日から公開します

買い物難民の問題はいまや地方問題から、大都市周辺の問題になりつつあるといえそうです。関西だけでなく、全国に広がるニュータウンが抱える課題を、買い物難民を切り口に考えます。

 ツジトミまでは自宅から徒歩数分で、別のスーパーに行くには自転車で10分ほど。ただ腰痛がひどく、腰にはコルセットをしている。

 「買い物袋が重くて、帰りがしんどい。だから娘に週2、3回、車で送り迎えしてもらってるんよ」

 近隣住民らによると、周辺地域には30~40年ほど前に引っ越してきた人が多く、現在は70、80代の高齢者が比較的多いという。

 ツジトミは京都府八幡市に本店があり、登記簿によると会社設立は1982年。大阪府の交野市と茨木市、京都府内で計4店舗を展開していた。

 だが10月1日、全店舗を突如閉店した。店前のシャッターには、多額の債務で事業継続ができず、破産手続き開始の申し立てを行うと説明する紙が貼られた。

 代理人弁護士は「前日夜に廃…

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