サッカー・ワールドカップ(W杯)カタール大会の日本代表MF遠藤航(29)は、ドイツ1部シュツットガルトで主将を務めている。さまざまな国から選手が集う欧州のチームをまとめ上げるには語学力が欠かせない。遠藤らサッカー選手への語学指導を行う「フットリンガル」代表のタカサカモトさん(37)に話を聞くと、アスリートでなくても参考になる勉強法を教えてくれた。
浦和時代からレッスン
――遠藤選手の語学をサポートすることになった経緯を教えてください。
「私は大学卒業後に、ブラジル1部のサントスFCで通訳を務めた時からサッカーとの接点が生まれました。J3ガイナーレ鳥取で通訳を務めた後、2017年に『フットリンガル』を創業し、サッカー選手のキャリアや学習面をサポートするようになりました」
「遠藤選手は18年にベルギーに渡りましたが、その1年ほど前、浦和レッズに在籍していた時からオンラインでのレッスンを始めました。彼はちゃんと準備をする選手です。『海外に行きたい』という思いを持っていて、英語のリスニングを鍛えたいということでした」
――まずは、話す力よりも、聞く力が大事ですか?
「何も話を聞かないくせによくしゃべる選手よりも、ちゃんと話を聞いて理解して動いてくれる選手の方が監督にとってもいいでしょう。内容を理解できないとまず質問ができませんから。伝えるのはジェスチャーでも何とかなります。なので、ひたすらリスニングをやっていました」
「赤ちゃんも最初の1年くらいは話しませんよね。リスニングとは言わないかもしれませんが、まずは聞くこと、そして親がどうやってしゃべっているのかを観察します。1年ぐらい経ってようやくしゃべれる。それと同じです。日本語で凝り固まった頭を持った私たち日本人はもっと英語を聞かなきゃダメだということを、まず選手たちに伝えます」
洋楽1曲に2カ月
――遠藤選手はどのようにリスニング力を高めたのですか?
「こんな人は語学が上達しや…