うんちやおしっこが育む命の循環 神戸の下水処理場で「肥料ガチャ」
小川智
コインを入れ、祈りを込めてダイヤルを回し、カプセルの中身に一喜一憂したガチャガチャ。
最近では中身の種類も増え、子どもから大人や外国人観光客までそのファン層は広がるが、神戸では肥料が出てくる「肥料ガチャ」が静かな人気だという。
神戸市東灘区にある下水処理施設「東灘処理場」。併設されている、下水道技術などの情報を発信する拠点「神戸下水道の歩み館」にそのガチャガチャはある。
1回の値段は100円。硬貨を入れダイヤルを回すと、カプセルが一つカランと落ちてきた。
カプセルの中身には、「都会生まれのりん肥料 こうべハーベスト」と書かれた袋に入った粉末、説明書のほか、ガチャガチャを楽しんでもらおうと、合格祈願や必笑祈願などのすべらない耐スリップマンホールバッジも1個、一緒に入っている。
1袋に入っている肥料は100グラム。肥料には成分はリンが約20%、マグネシウム約11・5%、窒素約4%が含まれていて、水銀などの重金属は混ざっていないという。
肥料には特ににおいもなく、野菜・観葉植物の追肥に使いやすい量となっている。
「肥料ガチャ」は神戸市が2020年から設置、年間で約270個を販売した。今年も10月末までに179個が売れ、その評判はじわりと広がっているという。
この肥料、原料となるのは私…