辰砂採掘跡の石器群、国の重要文化財に 弥生~古墳期 徳島・阿南

杉田基
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 弥生時代などに赤色顔料(水銀朱)の原料となった辰砂(しんしゃ)の採掘跡「若杉山辰砂採掘遺跡」(徳島県阿南市水井〈すいい〉町)から出土した石器群が国の重要文化財に指定される見通しとなった。文化審議会が18日、文部科学相に答申した。全国で唯一、採掘から精製までの工程で使われる石器がまとめて発掘されたことから、学術的価値が高いという。

 徳島県によると、対象となるのは石杵や石臼124点。これらの石器から、鉱石である辰砂を採掘し、砕き、すりつぶして粉状にするまでの一連の工程が復元できるという。弥生時代後期から古墳時代初期(1~3世紀)における水銀朱生産の実態が分かると評価された。

 水銀朱は西日本を中心に全国で、古墳内のひつぎや石室などで使われた。赤い鮮やかな色は当時特別な色とされ、珍重されていたと考えられている。

 指定されれば県内の国指定の重要文化財(考古資料)では5件目。石器の一部は徳島県立博物館(徳島市八万町)で常設展示されている。(杉田基)