歴代政権が恐れた辞任ドミノ 首相「今はちょっと孤独でつらい時も」
1カ月で3人の閣僚が事実上更迭される事態となった岸田文雄政権。過去に安倍晋三元首相や麻生太郎元首相らも、同じように相次ぐ閣僚辞任に苦しみ、政権を手放すことになった。今回の事態は、岸田政権に何をもたらすのか。政権を支える側の与党はどう動くのか。
閣僚の辞任が止まらない「辞任ドミノ」は歴代政権が恐れ、回避に腐心してきた。体制を立て直す猶予がなくなり、政権への信頼や求心力はそがれ、崩壊につながるほどのダメージになりうるからだ。
2006年9月に発足した第1次安倍晋三政権もそれで失速した。07年7月から9月にかけて久間章生防衛相、赤城徳彦農水相、遠藤武彦農水相と辞任が止まらない状態となった。安倍氏は参院選でも敗北し、体調不良もあって同9月に退陣した。
08年9月に発足した麻生太郎政権も日教組批判発言などで中山成彬国土交通相が辞任。その後、2閣僚が辞任し、09年衆院選を前に麻生氏に退陣を求める「麻生おろし」が与党内で起きた。麻生氏は衆院解散し総選挙に臨んだが惨敗し、政権交代につながった。
岸田政権にとっても、この1カ月の3閣僚辞任は深刻な打撃になっている。旧統一教会問題などで内閣支持率が政権発足から最低を記録するなか、確実に首相の求心力は低下している。
後手に回った3閣僚の更迭判断をめぐり、首相への風当たりも強まる一方だ。21日、公明党の佐藤茂樹国会対策委員長が、記者団に「もうこれ以上、足を引っ張るネタを政府から提供しないでもらいたい」と発言し、不満をあらわにした。
参院自民ベテラン議員も「首相はいつも迷ってばかりで事態が悪化する。政権の体をなしていない」と痛烈批判が止まらない状況だ。
まとまり欠ける安倍派 「岸田おろし」低調
そんな状況に首相は21日夜…
- 【視点】
短期間に3人の閣僚が辞任し、満身創痍にみえますが、岸田政権そのものは簡単には倒れないと思います。岸田首相をかえようとしたときに、自民党がちゃんとまとまれる人材がいるかというと、なんとも心もとないからです。 それは世論調査での内閣支持理