ツーブロックの髪形を禁止したり、下着の色まで指定したりといった不合理な「ブラック校則」が問題になっている。校則はどのように生まれ、なぜ社会常識や時代に合わない校則が残り続けるのか。
校則の歴史に詳しい武庫川女子大の大津尚志准教授に、日本と欧米の比較や、あるべき校則の姿について聞いた。
――日本の校則にはどんな問題がありますか。
一つは、服装や髪形の細かすぎる規則です。「靴下は白」という校則にどんな意味があるのか。なぜ、前髪は眉毛にかかってはならず、髪留めは指定の色でないといけないのか、といったものです。
先生自身、靴下が白でないといけない理由を聞かれても答えられないこともあるのではないでしょうか。
靴下にワンポイントのマークが付くと認められなかったり、バッグにスポーツメーカーのロゴが付いていてはいけなかったり、ということもありますよね。校則を守るために新しく買い直さなければならないということであれば、極めて不経済です。
もちろん、学校は学習の場です。学習にふさわしい服装があることは否定しません。
ただ、服装の規則が守られているかを確認する作業は、時間も労力も使います。確認に必要以上の時間と労力をかけているのであれば、その時間を授業の準備などに充てるべきです。
校則を守らせることが目的となり、校則のための校則になってはいないでしょうか。
――なぜそんな校則が作られたのでしょうか。
日本の校則には、法令上の定…