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患者3人の希少疾患に初めての薬 ライソゾーム病の薬の開発進む

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後藤一也
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 細胞内で古くなった物質がたまってしまう病気「ライソゾーム病」の薬の開発が進んでいる。ライソゾーム病は40種類ほどが知られ、そのうちの一つで、日本でわずか3人しか患者がいない病気の薬が今年6月に発売された。治療法があれば、積極的な早期診断につながる可能性もある。次世代の薬の開発も期待されている。

 細胞内では、たんぱく質や脂質などが新しくつくられ、古くなったものは壊されている。「ライソゾーム」は、60種類ぐらいの酵素を使い、古くなったたんぱく質や脂質、糖などを壊す場所だ。先天的に酵素がつくられなかったり、はたらきが弱かったりすることで、古くなった物質がたまる病気を「ライソゾーム病」という。

 その中でも、どの酵素の機能が失われているかによって、ゴーシェ病、ニーマンピック病、ファブリー病、ムコ多糖症、ポンペ病などに分けられる。

 治療の一つは「酵素補充療法」で、日本では1996年にゴーシェ病で始まり、ファブリー病やムコ多糖症などでも薬が開発された。東京慈恵会医科大の井田博幸特命教授は「治療法ができれば診断につながる。早く診断して早く治療することが大切だ」と話す。

 ニーマンピック病はA型、B型、C型と分けられてきたが、C型は原因遺伝子が違うことなどがわかり、近年はA型とB型は「酸性スフィンゴミエリナーゼ欠損症(ASMD)」と呼ばれている。

 ASMDは脂質を分解する酵素のはたらきが弱くなっている病気だ。A型は急速に症状が進み、多くは3歳までに亡くなる。B型は運動機能に障害が出るなどの神経症状はないが、肝機能の障害などが起こる。A型とB型の中間型もある。ASMDはきわめてまれで、国内の患者は2018年度の調査で3人だった。

 今年6月に発売された薬「ゼンフォザイム」は、ASMDの酵素補充療法だ。治験では、投与して1年後に呼吸機能や脾臓(ひぞう)・肝臓の腫れが改善した。脳内の細胞に酵素が届かないため、神経症状の改善は見込めないが、秋田大小児科の高橋勉教授は「過去のASMD患者での研究では、約半数が呼吸器か肝臓の症状の悪化が原因で亡くなっている。酵素を補充することで、より長く生きられる可能性がある」と話す。

 別のライソゾーム病の薬では…

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