「虐待の連鎖」という言葉はマイナス 親子関係の修復に大切なこと

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聞き手・村上友里
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 児童相談所が2020年度に対応した虐待の相談は約20万5千件に上ります。一度、暴力や虐待が起きてしまった親子関係を修復することは可能なのでしょうか。児童養護施設で指導員として働いた経験があり、今は現場の支援や国の仕組みづくりにたずさわる山縣(やまがた)文治・関西大教授(子ども家庭福祉論)に聞きました。

 ――児童相談所の一時保護は原則2カ月までで、厚生労働省の20年度統計によると、5割強の子どもはその後自宅に帰宅しています。虐待後、親子が一緒に暮らすことは珍しくないのでしょうか。

 珍しくはありません。そうでなければ、これだけの数の子どもを自宅に帰していません。

背景には何が、探って

 虐待の深刻度が低く、身を守るための力が子どもにあり、親の立ち直る力がある程度見通せるのであれば、児相や養護施設の職員はどうにか一緒に親子が住める方法を模索してみると思います。

 子どもが家に帰れる状況をつくるために、虐待の背景には何があるのか、経済的な問題なのか、養育力不足なのか、夫婦関係の問題なのか――を探って、その問題の解決を支援していきます。

 ただ、自分で自分の身を守れない乳幼児、就学前の子どもは、虐待した親の元に帰すことはより慎重にならざるを得ません。

 一方で、ある程度自分の身を守れるような年齢の子どもには、「夜でもいつでも電話をしていいよ」などと、必ず逃げる場所を伝えたうえで帰しているはずです。

 親元に帰すという判断をしたなら、帰ってからのフォローアップが重要で、親子の状況によって支援の方法は変わってきます。

大事なのは「虐待者を責めない支援」

 ――一度虐待をしてしまった親が、虐待をしないようになるのは、どのような変化からなのでしょうか。

 まず、児相や市町村などのサ…

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