これを待ってるんでしょ?
そう言わんばかりに、びしっとセリフを決めた。
「明日は必ず、クロアチアを破って、みんなで新しい景色を見たいなと思います。そしてまた、大きな声で『ブラボー!』と叫びたいなと思ってます」
4日、サッカー・ワールドカップ(W杯)カタール大会決勝トーナメント1回戦のクロアチア戦に向けた記者会見。
日本代表の長友佑都は、いつものように冗舌だった。
伏線は、11月23日にあった1次リーグE組の初戦だ。日本は、優勝4度のドイツを2―1の逆転で破る番狂わせを演じた。試合後、目を見開いて、叫んだテレビインタビューが国内の話題をさらっていた。
「みんなブラボー! ブラボー! ブラボー!!」
ドイツ戦で長友はDFで先発して左サイドを駆け回り、後半12分に退いた。なのに、その後の同点の歓喜を伝える写真には、ゴールを決めた主役の堂安律の真横にきっちり納まっていた。
いつだって輪の中心にいる。それが長友だ。
サッカー選手としては本意ではないかもしれない。ただ真っ先に評価されるのは、その人間性だ。
日本代表の森保一監督は語る…