コロナの影、ディアハンター振るわず 北海道のシカ被害44億円
アニメやグッズのキャラクターとしても人気がある鹿。しかし、北海道ではニホンジカの亜種、エゾシカの数が増え、田畑の作物が荒らされる被害が深刻化している。
北海道が先日発表したまとめでは、2021年度の農林業被害額は44億8千万円で、前年度より約10%増えた。背景には新型コロナの影響もあるという。
北海道によると、21年度の野生鳥獣による全体の被害額は54億5千万円。そのうち8割以上がエゾシカによるものだ。
牧草や水稲、テンサイなどを食い荒らす。果物類など単価の高い作物の場合、被害額は跳ね上がる。
エゾシカの被害額は11年度に64億円あったが、徐々に減り、19年度は37億9700万円だった。エゾシカの捕獲に対し、国から助成金が出るようになったことが後押しとなった。
ところが、20年になって新型コロナの感染者が急増すると、北海道内でも緊急事態宣言などが繰り返されるようになった。
道の担当者は「道外から泊まりがけで来ていたハンターが減り、十分な捕獲ができなかった」と話す。20年度の被害額は40億6800万円と、5年ぶりに40億円を上回った。
ほかにも、18年にハンターの誤射による死亡事故が起き、国有林への立ち入り規制が厳しくなったことも捕獲数が減った原因のひとつだという。(岡田昇)
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