農作物荒らすシカ、困った時の独自わな 考案した北海道の猟師
岡田昇
「バンビ」をはじめ、愛らしいキャラクターでアニメやマスコットに引っ張りだこの鹿。だが、一方では農作物を食べ荒らし、農家を悩ませる存在でもある。
そんな鹿を独自のわなで捕りまくり、地域の被害を10年間で9割減らした猟師がいる。
北海道岩見沢市の原田勝男さん(82)。猟銃を手にして半世紀以上になる山のベテランだ。
原田さんはニホンジカの亜種、エゾシカを「くくりわな」と呼ばれる道具を使って捕らえる。一般的なつくりに自らのアイデアを加え、エゾシカの脚が抜けにくくなるように工夫した。
さらに、猟で培った経験則を生かし、わなの仕掛け方にも独自の成功法を編み出した。
原田さんの地元では2008年度に約1500万円あった農業被害が10年後には150万円を切った。
原田さんの父親は秋田の伝統的猟師の「マタギ」だったという。
原田さんは猟の最中にヒグマに襲われたことがあり、後遺症で左目のまぶたが上がらない。現在はNPO法人の理事として、講習会でくくりわなのコツを伝えている。
原田さんは「自分の農地は自分で守るという気持ちが大事」と話す。(岡田昇)
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