難民や移民の日常に触れるフェスを開催 クルド、コンゴなど

贄川俊
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 【埼玉】コンゴ、ミャンマー、チリ、トルコ、ウクライナアフガニスタン――。迫害や紛争から日本に逃れてきた人などが集うチャリティーイベント「難民・移民フェス」が23日、JR川口駅西口のリリアパークである。発起人のひとりで、都内在住の文筆家・金井真紀さん(48)は「難民や移民の人たちの日常の姿にふれて欲しい」と呼びかける。

 フェスでは、10以上の国から日本に移住した人が約25のブースを出す。在留資格がある人や難民、在留期限が切れながら一時的に収容を解かれた「仮放免」状態にある人などだ。

 オリーブや卵の入ったチリのミートパイ「エンパナーダ」、ミャンマーの卵カレー、クルドのスイーツなどが食べられる。ウクライナのクリスマス飾り「ディドゥフ」づくり(先着5人)やアフリカンヘア(髪の編み込み)、木の樹皮をすりつぶしたミャンマーの日焼け止め「タナカ」も体験できる。

 金井さんによると、フェスのきっかけは今年1月。入国管理問題に詳しい東大准教授の高谷幸さんに誘われて食べた、仮放免状態のチリ国籍の男性が作るエンパナーダのおいしさに感動したことだった。

 男性は政治的理由で迫害されたため日本でシェフをしていたが、仮放免者には働くことが認められていない。このため困窮し、外部とふれあう機会が減って引きこもる仮放免者も多いという。高谷さんと「フェスをやれば、このパイをもっと多くの人に食べてもらえる」と盛り上がり、知り合いに声をかけて参加者を募った。

 6月に東京・練馬で初めて開いたフェスには約800人が集まった。「家族の会話が1週間以上フェスの話題になった」「次はいつやるんだ。またブースを出したい」。想像を超える参加者の反響を受け、すぐに2回目の準備を始めた。

 今回の会場の川口市周辺には、約2千人のクルド人が住む。在留資格がなく、難民申請中の人も多い。日本の難民認定は厳しく、2021年の認定者は74人。申請結果が出たうちでは1・5%で、主要国では極端に低い。金井さんは「難民申請をしている人の多くは私たちと同じような普通の人で、母国にいられず困っている人。彼らがどんな人たちなのか、会場に来てふれてほしい」と話す。

 フェスは実行委と支援団体「在日クルド人と共に」の共催。雨天決行で午前11時~午後3時。入場無料。イラン出身で俳優のサヘル・ローズさんらのパネルトーク、仮放免者らを支援している社会福祉士の大沢優真さんの講演、食糧支援、医療相談もある。フェスの売り上げは、参加した難民や仮放免者らの生活支援に充てる。贄川俊