岸田文雄首相が8月に内閣改造と自民党役員人事を行ってから3カ月余り。年明け以降、再び人事で人心一新をすることも検討しているという首相だが、人事は「諸刃(もろは)の剣」で、その意向に反して、党内や首相周辺からは「新しいリスクを伴うだけだ」(参院幹部)と否定的な見方がある。
首相は夏の参院選に勝利後、閣僚らに相次いでいた世界平和統一家庭連合(旧統一教会)問題や世論を二分した安倍晋三元首相の国葬という課題を抱えるなか、8月に内閣改造と党人事に踏み切った。
刷新感によって局面を打開し、政権浮揚につなげるねらいがあったが、改造直後から山際大志郎前経済再生相に次々と教団との関わりが浮上。10月に首相が事実上の更迭をしたが、後手に回った対応は内閣支持率を過去最低へと押し下げる要因となった。この1カ月で3閣僚が相次ぎ辞任するなか、再び人事という案が浮上した。
岸田政権にとっては、刷新以外にも「リスク」を取り除く目的もあるとみられる。
指摘されるのは、「政治とカ…