前田大然のドイツ対策 ノイアーに「トップスピードで狙いすぎると」
最前線から球を追うのは守るためだけではない。いかにゴールにつなげるか。
23日のワールドカップ(W杯)初戦でぶつかるドイツには、足元の技術が高いGKノイアーが最後尾で構える。
19日の練習後、世界有数の守護神を相手に意識したいことを聞くと、こう答えた。
「あまりトップスピードで狙いすぎると、切り替えされる。そこはうまくやれればと思う」
緩急をつけた「足」は、得点を予感させる武器だ。
6月の親善試合・ブラジル戦ではバックパスを受けたGKアリソンに、猛然とプレスをかけた。
ゆっくりとしたランニングから急加速し、距離を詰め、右足を伸ばした。わずかにボールに届かなかったが、あわてた王国の名手はピッチの外に蹴り出した。
開始直後でも終了間際でも、同じことを愚直に続けられる。「やらないで後悔したくない。GKにプレスをするのも、いつか自分の足に当たって、ゴールに入ると思ってやっている」
わずかでも可能性があるのならと、足を動かす。
守備に秀でると評価されがちだが、前田は「チームを助けるゴールを取りたい」とストライカーとしてのプライドをのぞかせる。
今大会の日本代表のFWは得点力がないという批判にも「ゴールを取ればいいだけ」ときっぱり。
2021年のJ1では23ゴールを挙げ、得点王に輝いた。22年はシーズン途中にセルティックへ移籍し、6得点。今季も3得点と、決定力を磨いている。
強豪国とぶつかる大舞台でも、貪欲(どんよく)にゴールを狙う。(岩佐友)
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