「僕が査定に出たら最終回」 浜ちゃん「プレバト!!」10年を語る

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中沢絢乃
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 芸能人の隠れた才能を専門家が査定し、ランキング形式で発表する毎日放送(MBS)制作のバラエティー番組「プレバト!!」(TBS系、木曜夜7時)が10周年を迎えた。俳人の夏井いつきさんが辛口で講評する俳句を筆頭に芸能人の思わぬ才能を発掘し、「スター」が輩出してきた。

芸能人の才能を「発掘」してきた「プレバト!!」。記事の後半では、10年司会を続けている浜ちゃんが、出演者や、自身の「才能」についてたっぷり語ります。うわさに聞く、収録時間の短さにも話は脱線し……。

 2012年10月、ダウンタウン浜田雅功さん(59)を司会に「使える芸能人は誰だ!?プレッシャーバトル!!」のタイトルでスタート。「漢字の書き順」や「送り仮名」などのクイズで芸能人が対決する内容だった。

 開始時から企画を担う総合演出の水野雅之さん(45)は「出演者同士のバトルにすれば、浜田さんなら上手にあおってショーアップしてくれるのでは」と考えたという。同時間帯の「VS嵐」「いきなり!黄金伝説。」といった「王道バラエティー」に対抗するため、何か違うことをと「知的バラエティー」に方向性を定めた。

 番組は1年ほど試行錯誤を重ねながら内容を変えていった。「芸術センスやリズム感。才能のアリ・ナシが一発で分かる査定をすると面白いのではないか」と考案したのが俳句と生け花のコーナーだった。

 「才能査定ランキング」の形にし、俳句では「名人」「特待生」といった階級付けも。俳句は全くやったことがなかったという大衆演劇のスター・梅沢富美男さんをはじめ、お笑い芸人の藤本敏史さん、千原ジュニアさん、アイドルグループKis―My―Ft2の横尾渉さんらが才能を開花させた。

 俳句を査定する夏井さんの厳しくも鮮やかな添削ショーも名物で、俳句の裾野を広げた。歯に衣(きぬ)着せぬ物言いで時には酷評もするが、矛先は「あくまで作品に対してで、人に向かってはいない」(水野さん)から、視聴者にも受け入れられているようだ。

 ジャンルを徐々に増やし、今では消しゴムはんこ、盛り付け、ぬか漬け、トーストアートなど10種類以上に。「水彩画」ではモデルの田中道子さん、元AKB48の光宗薫さんらが才能を披露している。「芸能人はみんな負けず嫌い。『ウケを狙う』とかはなしで真剣に考えてくる」と水野さん。

 作品が評価されて順位を上げても、別の作品で低評価を受けると降格することもある。「結果として、彼らが成長していく様子が一つのストーリーのようになっている」。MBSによると、毎週継続して視聴する層が多いという。

 浜田さんも「(収録のたびに)誰が何位になんねやろ、落ちたんや、上がったんやとか気になりますよね」と語る。

 9月には、絵はがきに一言添えるように写真に俳句を組み合わせる「写真俳句」を査定し、1位の作品は自治体の観光ポスターに採用という、街おこしにも通じる企画を始めた。世の中との接点を持つことで、視聴者に身近に感じてもらう狙いだ。

 10年の歩みを水野さんはこう振り返る。「上達する人がどんどん現れて、(才能の有無を判定するという)当初の狙いは、良い意味で裏切られました。番組は生き物のようなもの。その時その時で番組が向いていく流れを大事にしながら、アレンジしていきたいです」(中沢絢乃)

「アイドルの彼らが。すごいでしょ?」

 「プレバト!!」10周年に際し、司会の浜田さんが収録後に報道陣の取材に答えた。

 ――10周年を迎えた気持ちは

 10年もやってたかなあって感じですね。なんかもう、あっという間でしたけどね。今は俳句に落ち着いたんですけど、始まった時は試行錯誤しながら色んな企画考えてやってましたね。

 ――印象に残っている出来事は

 そのごちゃごちゃやってた(…

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