ウクライナの4姉妹、平和の願いを絵に 千曲市などで巡回展

菅沼遼
[PR]

 平和への願いを込めてウクライナの子どもたちが描いた絵の巡回展が、19日に長野県千曲市役所から始まった。ロシアによる軍事侵攻で、隣国への避難を余儀なくされた8~15歳の4姉妹が描いた22点が、県内外を巡り、子どもたちの思いを伝える。

 ウクライナの国花ヒマワリや青と黄色の国旗をモチーフにした絵に、白いハトと地球を描いた作品――。会場に並ぶのびのびとした筆づかいの絵は、ウクライナ西部テルノーピリ州出身の長女アンゲリナさん、次女アデリナさん、三女アリビナさん、四女アンナさんの4姉妹が描いた。

 4人は母親とともに、侵攻が始まってすぐの3月にポーランドに避難した。今は大学の研究所の部屋を借りて生活をし、ウクライナの学校のオンライン授業を受けているという。従軍している父、長兄とは離ればなれになったままだ。

 ワルシャワで日本語学校の教頭を務めている千曲市出身の坂本龍太朗(りょうたろう)さん(36)は、地元の避難所で支援活動をしていたときに姉妹と出会った。ロシア語を話せる坂本さんは話し相手になり、通訳としても避難先での生活を支えた。

 姉妹は夏休みの時期、ずっと滞在先の研究所で過ごしていた。坂本さんはその様子を見て、「少しでも心の穴を埋めたい」と水彩絵の具とキャンバスを渡した。

 姉妹はその絵の具を使って、平和への願い、行きたかった夏休みの旅行先、坂本さんを通じてウクライナを支援をする日本の人たちへの感謝を描いた。

 坂本さんは、「千曲市ウクライナ避難民を支える会」代表の竹下雅道さん(47)らとともに、これらの作品の日本での展示を構想。SNSで呼びかけると、長野県内のほか、三重、静岡、愛知などの各地からも手が挙がった。竹下さんが事務局となり、巡回展を開催することが決まった。

 千曲市役所では12月4日まで無料で見られ、展示の隣に募金箱が設置されている。その後、上田市松本市長野市を巡り、来年1月中旬以降は県外を回る。

 竹下さんは「絵に込められた子どもたちの思いを感じ取ってもらいたい。募金はウクライナの寒い冬を乗り越えるための物資購入などに役立てられる。多くの人に見ていただき、少しでも募金をしていただきたい」と話した。(菅沼遼)