トヨタの源流は豊田市にあらず 故郷・遠州で受け継がれる佐吉の精神

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奈良部健
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 トヨタ自動車愛知県豊田市トヨタ町1番地に本社を構える。しかし、ここは創業の地ではない。トヨタの源流企業をつくった豊田佐吉静岡県西部、浜名湖近くの湖西市で生まれ、自動織機を発明した。佐吉の精神が、地元では脈々と受け継がれている。

 佐吉の命日にあたる10月30日、湖西市立鷲津中学校の佐吉像の前に、トヨタ社長の豊田章男氏(66)が立った。佐吉のひ孫にあたる。

 「私にとって湖西は『トヨタの原点』を学んだ大切な場所。自分のためではなく、母の夜なべ仕事を楽にしたいという(佐吉の)思いが発明の原動力だった」

 佐吉が生まれた湖西市では1964年から毎年、市が命日に顕彰祭を開いている。同じ遠州の浜松で始まり、やはり織機が祖業のスズキの鈴木修相談役(92)も参列した。

 地元の小学生もいた。「湖西少年少女発明クラブ」の子どもたちだ。佐吉にならってものづくりの楽しさを学ぼうと、76年に設立された。市内に多い製造業を中心とした約90社が講師を派遣したり、資金を提供したりしている。

 発明品を実際につくる「発明…

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