交通事故が最多の交差点は? 「ランクが現実に近づいた」新しい集計

山崎啓介
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 2021年に人身事故が最も多かった交差点は、東京都杉並区の「大原交差点」――。日本損害保険協会が先月公表した「全国交通事故多発交差点マップ」で、大都市の大きな交差点が上位に入った。一方、神奈川県千葉県静岡県などでは、小さな交差点が上位にランクイン。警察庁が集計方法を改めたことで、ランクに変化が出たという。

 発表では、全国ワーストの大原交差点では、昨年1年間に29件の人身事故が起きた。死亡事故はなかったものの、うち4件は重傷事故だった。

 大原交差点は、国道20号(甲州街道)と環状七号線という都心の大動脈が交わる交差点。いずれも交通量が多く、朝夕の通勤時間帯には渋滞が多発していた。

 損保協会によると、29件のうち11件が脇見運転などによる追突事故だった。甲州街道の上には首都高が走っており、支柱が視界を妨げていることも事故を誘発していると考えられるという。

 停止中にブレーキの踏み込みが不十分だったため、前方の車にぶつかる事故も複数あったという。

 次に事故が多かったのは、豊島区の「池袋六ツ又交差点」の21件、大阪府泉大津市の「阪和豊中交差点」と大阪市の「梅新東交差点」の19件が続いた。

 いずれも、通行量が多い幹線道路の大規模な交差点で、左右の安全確認が不十分だったことなどが事故の主な要因だった。

 一方、今年の集計からは、生活道路にある信号機のない小さな交差点もランクに入るようになった。これまでは、大規模な交差点しか集計の対象になっていなかったが、事故発生地点の緯度経度の情報から、事故が発生している場所を探せる新たな解析ツールを警察庁が開発。今年6月に全国の都道府県警に配布していた。

 その結果、神奈川県で、横浜市青葉区田奈町にある国道の側道と県道が合流する交差点が、千葉県では横芝光町の住宅地にある県道と町道が交わるいずれも信号機のない交差点が初めてランクに入った。

 警察庁交通企画課の担当者は「交差点の名前などをもとに集計していた従来の方法に加え、新たな解析ツールによる集計を組み合わせることで、より現実に近いランクになった」と語った。山崎啓介

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