なぜ日本はツイッターの「宝石」になったのか 日本法人元幹部が語る
イーロン・マスク氏が買収したツイッターの行方が注目を集めている。かつて日本法人で上級執行役員を務めた王子田克樹さんが取材に応じ、創業者ジャック・ドーシー氏とも交流のあったツイッター時代の経験や日本市場の重み、今のツイッターの状況について語った。
おうしでん・かつき 1961年生まれ。三菱総研、グーグル日本法人の執行役員、ツイッター日本法人の上級執行役員などを経て、今年「nabe」を起業。
ツイッターのことが随分、話題になっています。そもそも「短文投稿サイト」と言われても、よく分からない人もいるでしょう。「メディアなんですか」という質問も受けますが、独自の編集機能を持たないので違います。ユーザーがつくったコンテンツを、誰に向けてどう出すかがツイッターの機能です。
社内でもよく同僚と議論をしましたが、うまいことを言うなあと思った例え方がありました。インスタグラムやフェイスブックは「ルック・アット・ミー」(私を見て)だと。対してツイッターは「ルック・アット・ディス」。つまり「これが面白い」「これが大事だよ」というのです。
これは結構本質的で、何かが起こった時に「大変なことが起きている」と発信するのがツイッター。「自分が巻き込まれて大変だ」と伝えるのがフェイスブックやインスタグラムだということです。
それらを支えているのが広告です。実はツイッターでは、日本は「王冠の宝石」と呼ばれていました。
私は2013年に声をかけら…