「声を上げる人が守られる世の中であってほしい」 性被害の元自衛官

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聞き手・伊木緑、高重治香
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 元陸上自衛官の五ノ井里奈さん(23)は今年6月、在職中に受けた性暴力を実名で告発した。10万以上のオンライン署名を集め、防衛省に事実の解明を迫った。防衛省は被害を認め陸自トップの陸上幕僚長が謝罪。加害者の男性隊員4人が10月、面会して謝った。五ノ井さんの声を、自衛隊や社会はどこまで受け止められるのか。

 ――自衛隊在職中に受けた性暴力を告発しました。同僚が10人以上見ているなか、力ずくで性的な行為をされたと訴えました。

 「事実を認めて謝り、同じことが起きないようにして欲しいという思いでした。自分のいた中隊ではセクハラは日常的にありました。隊員同士の変な結束があり、見て見ぬふりをする人が多く、上の人たちも本気で叱る人はいませんでした。感覚がまひし、何がセーフで何がアウトかわからなくなっていたと思います。『コミュニケーション』だという人もいれば、悪いとわかってやっている人もいました。軽く考えるのは処分がこれまで軽かったこともあります。一般の会社で起きたら仕事を失うようなことでも、自衛隊内では停職ですまされてきた」

ごのい・りな 1999年生まれ。幼少期に柔道を始める。大学を中退し2020年に陸上自衛隊に入る。福島県の郡山駐屯地の部隊に所属。今年6月に退官。

 ――最初は驚きましたか。

 「配属前に先輩から『あの中隊はセクハラ、パワハラが多いよ』と聞いていました。配属されると、実際にそういう空気がありました。下ネタなどにそっけない対応をすると、同僚から話しかけてもらえなくなったり、冷たくされたりして居づらくなる雰囲気です。そうなると支障があるので女性の方も断れません。体を触られる被害を受けた時に誰かが中隊長に伝えました。自分がチクったと疑われて居づらくなり、ここで声は上げられないなと思いました」

謝罪前には、謝罪を一つの区切りにしたいと話していた五ノ井さんですが「想像したより難しかった」といいます。その理由や、再発防止を求めて発信を続ける思いを聞きました。

■戻れるものなら戻りたかった…

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