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乳がんの私と71歳でマラソンに挑んだ父 無言の走りと驚きの一言

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板倉大地
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 4月中旬、福岡市内の病院で受付を済ませると、「先生の話は1人で聞かれますか」と事務員の女性に尋ねられた。

 須川富久巳(ふくみ)さん(45)は1週間前に胸のしこりの切除手術を受け、この日はその結果を聞きに来ていた。胸騒ぎがした。

 診察室で医師から乳がんと告げられたのはその後だ。「ガガガガーンですね」。動揺してか、心の中に湧いたおやじギャグが漏れ出て、医師は苦笑いしていた。がんとわかり、さらなる手術や抗がん剤治療が必要になった。

 病院の駐車場で夫に電話をした。不安から電話口で初めて泣いてしまった。

 でも、両親には心配をかけたくない。数日後、福岡市内の実家で「がんだった」と明るく報告した。でも、泣かないようにがまんすることに必死で、両親がどんな反応をしていたのか、覚えていない。

 父の折田幹雄さん(71)から福岡マラソンへのエントリーを頼まれたのは、その数日後だった。「自分が頑張っている姿を見せて、娘にも頑張ってもらいたい」。申込時に記入する抱負の欄に、こう書き込んでほしいという。

 隠していた不安は、どうやら…

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