参院選当選したのは男だけ 九州から見えた「おっさんルール」とは

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杉山あかり
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 7月の参院選で、選挙区と比例区を合わせたすべての候補者のうち、女性候補が占める割合が、戦後初めて3割を超えた。

 女性の当選は、過去最多の35人。参院での女性議員は全部で64人になった。

 しかし、九州では逆に、選挙区選出の女性の参院議員が一人もいなくなった。

 九州では福岡と長崎の二つの選挙区で現職が引退した。1人は女性、もう1人はベテランの男性。後継は、いずれも男性だった。

福岡と長崎では、どんないきさつで候補者が選ばれたのか。女性が候補者になりづらい理由を、元衆院議員の井戸まさえさんと読み解きます。後半では「男」がはびこる政治の世界で井戸さんが経験した苦労も聞きました。

 福岡選挙区では現職2人と、比例区から転じた現職1人、新顔13人の計16人が争い、現職の3人が当選した。

 ここには、公明党の現職に女性の高瀬弘美氏がいたが、引退することになった。

 公明党の福岡県本部は慌てた。

 幹部によると、通常、新顔を擁立するときは、公示日の1年以上前からスケジュールを組み、支持母体・創価学会を基盤に、組織的に動く。

 高瀬氏の引退が県本部に伝えられたのは、去年の12月初旬。7月の参院選に、全く新しい候補者を出すには間に合わない状況となった。

 県本部内で真っ先に名前が挙がったのが、比例区の現職だった男性の秋野公造氏。長崎大医学部出身で、新型コロナウイルスの影響が広がるなか、医療政策面を評価された。他の候補者の名前が挙がることはなかったという。

「独身がいいとか悪いとかでなくて、身軽でないと」 

 幹部は「(立候補には)家族の理解も必要。男性だけにしたいわけではないけど、女性の候補を見つけるのは至難の業」と打ち明ける。

 選挙戦に入れば一日中動き…

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