3年ぶりにタクトを握った小澤征爾さん、宇宙に向けて演奏した

弓長理佳
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 指揮者の小澤征爾さんが23日に長野県松本市のキッセイ文化ホールで、総監督を務めるサイトウ・キネン・オーケストラ(SKO)を指揮した。同オーケストラ財団が24日、発表した。指揮自体は約3年ぶりという。演奏会はSKOと宇宙航空研究開発機構(JAXA)が共同で企画。無観客での演奏だったが、宇宙飛行士、若田光一さんが滞在する国際宇宙ステーションに向けて生中継されたという。

 小澤さんは「ぼくらの演奏を宇宙へ届けられるなんて……驚きます。いまは宇宙にいる若田さんと、また会えることもとても楽しみです……宇宙で、音楽はどんなふうに聴こえるのだろう。地球ではコロナの感染症や戦争で、たくさんの大人たち、子どもたちが苦しみ、悲しんでいます。音楽は、言葉も国も宗教も政治も超えて、人と人のこころをつなげることができる――音楽を通して、僕らは同じ星に住む、同じ人間であることを感じて、みんなでひとつになれることを願っています」とコメントした。

 若田さんも「今回のJAXAとサイトウ・キネン・オーケストラとの共同企画は『科学技術と音楽はあらゆる垣根を超え人類に幸せをもたらす』を体現し、世界を一つにまとめてくれる力がある、と感じています。困難なことが多い時代に生きる我々に、今回の企画は勇気と希望を与えてくれると信じています」などとコメントを発表した。

 当日は、コロナ禍やウクライナ侵攻などの困難が続く中でも地球に住む者同士で協力し合おう、との意味を込め、ベートーベンの「エグモント序曲」が演奏されたという。

 演奏の模様は12月1日、小澤さんの公式YouTubeチャンネルで公開される予定。(弓長理佳)