職員自殺で新潟市に賠償命令 地裁「職場改善せず」パワハラは認めず

宮坂知樹
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 新潟市水道局の男性職員(当時38)が2007年に自殺したのは上司のパワハラが原因だったとして、遺族が市に約7900万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が24日、新潟地裁であった。島村典男裁判長はパワハラは認めない一方、職場環境の改善などをしなかったことが注意義務違反に当たると判断し、市に約3500万円の支払いを命じた。

 判決などによると、男性は07年4月、一定の経験がないと難しい市発注工事の単価表作成などの業務を初めて担当した。しかし、上司の「厳しい対応」の影響から会話の少なかった部署内で誰にも相談できず、自身への対応を「いじめ」と感じ、期限までに仕事が終わらなかったことへの叱責(しっせき)を恐れて精神的に追い詰められ、5月8日に自殺した。

 判決は、上司は、対応を改善して部署内の意思疎通を活性化させ、男性が相談しやすい環境を整えたり、男性の業務の進み具合を確認しながら必要な指導をしたりする注意義務があったのに、何もしなかったと指摘した。上司の対応はパワハラだとする遺族側の主張には、「認めるに足りる十分な証拠はない」とした。

 裁判で市側は、業務は特別に困難な内容ではなく、上司や同僚がフォローする態勢も整っていたと反論。判決後、「判決内容を精査のうえ対応したい」とするコメントを出した。

 男性の自殺をめぐっては11年11月に公務災害に認定され、その中で上司の行為は「著しく理不尽な『ひどいいじめ』」とされた。(宮坂知樹)