寄宿舎廃止、日程再考を要請 県議会文警委が「もう少し時間必要」
知的障害のある子が学ぶ那須、栃木の両県立特別支援学校の寄宿舎の今年度末の廃止をめぐり、県議会文教警察委員会(石坂太委員長)は24日、2校の校長や保護者を参考人として招き非公開で意見を聞いた。その後、同席した県教育委員会の幹部に「もう少し時間が必要」として、廃止に関するスケジュールを再検討するよう求めた。廃止時期が延期される可能性が出てきた。
今回の意見聴取は、那須特別支援学校の保護者から9月、計画停止を求める陳情が県議会に出されたことを受けて実施した。非公開としたのは「プライバシー保護」のためという。
石坂委員長と関谷暢之副委員長によると、2校の校長と、在校生の保護者のうち廃止を容認する人と寄宿舎の存続を求める人、寄宿舎がない特別支援学校長の計7人を招き、受諾した6人が出席。1人あたり約30分ずつ話を聞いた。
保護者には自己紹介と廃止への率直な思いを述べてもらい、質疑応答をした。その後、委員同士で意見を交換したところ、今年度末の廃止について「まだ十分な議論が尽くされていないのではないか」「保護者の理解が少ないのではないか」との指摘が大勢を占めた。それらを踏まえ、石坂委員長が同席した県教委側に「今後のスケジュールについてもう一度検討いただきたい」と伝えたという。
那須特別支援学校の保護者からの陳情は、廃止計画を停止した上で保護者を加えた組織をつくり、存続を含めた再検討を求める内容で、文教警察委員会は賛成多数で継続審査にすることを決めた。
ただ、10月に現地視察として那須特別支援学校を訪ねた際、保護者とは面会しなかった。県教委は2016年度から廃止に向けた議論を始め、昨年11月に2校の全保護者へ廃止を通知したが、その間、保護者の意見は聴取しなかった。(小野智美)
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