ポッドキャストに活路を探るラジオ局 米国では市場急成長

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川村貴大
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 ラジオ各局が番組を「ポッドキャスト」の形でインターネット配信する事業に力を入れている。広告費がピークだった1991年の2406億円から半分以下(電通調べ)に落ち込むなか、ネットで新規リスナーを掘り起こし、配信向けに音声広告を付けるなどして、新たな収益の柱に育てることが狙いだ。在京各局の取り組みを取材した。

 ポッドキャストとは、スマートフォンやパソコンなどで聴けるネット配信の音声番組のことで、無料が一般的だ。定期的に最新回が配信される仕組みで、過去回も含めて何度でも聴くことができる。

 ラジオ各局は、通常の放送をした番組から音楽やCMをカットした再編集版や、ポッドキャスト限定の番組を「Apple Podcast」「Spotify(スポティファイ)」「Google Podcasts」などの各プラットフォームで配信している。

 ニッポン放送の平日朝の生ニュース番組「飯田浩司のOK! Cozy up!」のポッドキャスト版は、コロナ禍が始まった2020年春にダウンロード数が倍増。19年1月からの累計ダウンロード数は1億を超える。地上波では関東ローカルの放送だが、ポッドキャスト版は世界中に配信される。

 浜原晋介デジタルビジネス室長は「大阪や愛知など他のエリアでも固定客を獲得している。(各プラットフォームの)ランキングで上位にいることが多く目に付きやすいため、地上波では考えられなかった広がりを見せている」と語る。

 同局は11月15日時点で83のポッドキャスト番組を配信しており、月間の合計ダウンロード数は約1200万に上る。ただ、番組に挿入する音声広告による収益化への道のりは「始まったばかり」と浜原室長は言う。

 「広告主の関心は高まってい…

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