大阪は「食べ物が安くておいしい」「くいだおれの街」だと言われます。しかし、サントリーホールディングス副会長で、大阪商工会議所の会頭を務める鳥井信吾さん(69)は「海外では『大阪の食』は全然浸透していない」と言います。世界中から人が集まる2025年の大阪・関西万博を生かさない手はありません。
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――大阪が「食の街」だと、海外でも知られているのでしょうか。
「海外の事情に詳しい識者や食の専門家に聞くと、海外では、『大阪は食の街』ということが、全然浸透していないと言うんですね。特に欧米で。私たちは『大阪は食の街』だと当たり前のように思っていますが、海外に対してのアピールが弱いと言われています」
――ほかの都市はどうですか。
「東京と京都は、海外の有名な食通や評論家が何人も食べ歩いて、このお店の料理はおいしいとネット上に書いています。それが世界中に拡散するので、インフルエンサーのような役割を果たしているんですね。そういう人たちを大阪に引き寄せ、世界に発信してもらうようにしたい。大阪・関西万博は呼び寄せる大きなきっかけになります」
「万博は、『大阪・関西』ですから、大阪の食だけでなく、京都や奈良、和歌山、兵庫といった関西の食も知ってもらう場にもしたい。会場内にもたくさんレストランができますが、会場外との連携が大事です。各地のお店で地元の食を楽しめるような仕組みも作らないといけないでしょうね」
――その中で、大阪の食の強みは何でしょうか。
「よく『だし』だとか言われますが、私が思うのは、奇をてらわない、素材を大事にするというか、うまく言えないですけど、かっこつけないというか、その道に徹しているというか」
「たとえば、大阪・ミナミに…