敵基地攻撃能力、「必要最小限で」 政府案提示 与党、来週にも合意

有料記事岸田政権

松山尚幹 小野太郎 田嶋慶彦 里見稔
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 敵のミサイル発射拠点などをたたく「敵基地攻撃能力(反撃能力)」について、政府は25日、安全保障関連3文書の改定に向けた自民、公明両党の実務者協議で、「必要最小限度の措置として行う」などとした政府案を説明した。両党は来週にも敵基地攻撃能力の保有について合意し、政府が年内に改定する安保3文書に盛り込まれる見通しになった。

 敵基地攻撃能力の保有について、政府は「あらゆる選択肢を排除せず現実的に検討する」(岸田文雄首相)と繰り返し、具体的な内容については言及してこなかった。公式の場で政府が内容を説明したのは今回が初めて。

 出席議員や政府関係者によると、政府は与党協議で周辺国による様々なミサイル開発を踏まえ、敵基地攻撃能力を保有する必要性を説明。「現在のミサイル防衛システムでは迎撃が困難な可能性がある」とし、「必要最小限度の措置」を講じるとした。米軍と攻撃目標や攻撃が成功したかどうかなどに関する情報も共有するという。

 これに対し、出席議員から反対意見は出なかったという。ただ、敵基地攻撃が国際法の禁じる「先制攻撃」にならないよう相手国が攻撃に「着手」したとの認定のあり方、攻撃対象、国会の関与や名称などは引き続き協議する。

 公明の石井啓一幹事長は25日の記者会見で、敵基地攻撃能力の保有について「能力があることを示すことによって、我が国に対する攻撃を抑止することが大きな目的だ」と述べ、前向きな姿勢を示した。

 敵基地攻撃をめぐっては、政府は従来、「法理的には自衛の範囲に含まれ、可能である」との見解だったが、政策判断として能力は保有してこなかった。しかし、北朝鮮が弾道ミサイルを相次いで発射する中、自民党が保有を提言していた。実際に保有することになれば、日本が戦後、堅持してきた抑制的な防衛政策の大きな転換になる。(松山尚幹 小野太郎)

■防衛政策の大転換 課題残っ…

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    藤田直央
    (朝日新聞編集委員=政治、外交、憲法)
    2022年11月26日9時57分 投稿
    【視点】

    「敵基地攻撃能力」を持つことで何が変わるのか、政府や与党の説明を聞いてもわかりにくい。相手が強い兵器が持てばこちらも持つ、「必要最小限」であれば憲法に反しない――要は問題ないということを強調するからです。  では何が変わるのか。「敵基地攻

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