料理研究家の亡き妻と葉山で〝かき氷屋〟 仲間とたどる記憶の味

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それぞれの最終楽章・レシピは永遠に(2)

会社員 小林一匡さん

 僕は今年8月中旬の5日間、地元の神奈川県葉山町で、ある店を開きました。その名は「甘氷屋(かんぴょうや)」。今春永眠した妻の舘野真知子(享年48)が2020年の夏以降、古民家スペースなどを一時的に借りて、近所の仲間数人と取り組んできた“伝説のかき氷屋”を再び営業したんです。

 真知子は国内外の生産者たちと直接つながり、食材が持つ力を最大限に引き出すレシピを追求してきました。4年前、夫婦2人で川崎駅前のタワーマンションから葉山の古い木造平屋に引っ越すと、自然豊かな生活を気に入り、「地元のみんなにおいしいものを食べてほしい」と、夏場のかき氷店に向けて動き出しました。シロップは自家製。桃や南高梅、イチゴやブドウなど厳選した果実を全国から取り寄せ、寝る間を惜しんで丁寧に仕込んでいました。

 初めからコロナ禍でしたが、真知子は病気の進行を自覚していたのか、「この夏を無駄にせず、存分に楽しみたい」とレシピの開発に打ち込みました。ただし職人気質だから採算を考えない(苦笑)。それで僕が経理を担当し、営業中は氷を削る係を担いました。

 真知子が逝った後、甘氷屋の…

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