金田一耕助に仮装し、被災地を練り歩き 石坂浩二さん「ありがとう」

小沢邦男
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 岡山県倉敷市真備町の恒例の仮装イベント「1000人の金田一耕助」が26日、青空の下で開かれた。コースの一帯は4年前の西日本豪雨の被災地。映画で何度も金田一を演じた俳優の石坂浩二さんもサプライズ参加し、金田一らに扮した一行は復興もかみしめながら歩んでいた。

 全12回に参加している東京都の赤堀友康さん(59)は「町がすっかりきれいになり、復興が進んでいると感じた。コロナで久しく会えなかった仲間とも会え、いい時間を過ごせた」と笑顔で語った。甘酒で参加者を迎えた横溝正史疎開宅の管理人、浅野昭江さん(78)は「町の景色は少し変わったけど、人の温かさは変わりません」と話した。

 金田一耕助そのままの石坂さんは「みなさんと一緒に、横溝先生をしのびながら真備を歩いてみたかった。ありがとう」とあいさつした。

 イベントは新型コロナウイルスの影響で3年ぶりの開催で、参加者は100人に限定した。真備は金田一の生みの親である推理小説家・横溝正史が戦中戦後に過ごしたゆかりの地で、今年で12回目。コースは例年通り、JR清音駅を出発し、横溝の疎開宅がある真備町岡田地区までの約5キロを3時間ほどかけて歩いた。

 地元の有志が道中の数カ所で、金田一シリーズにちなんだ寸劇を披露。いつもは地声を張り上げての芝居だが、今回は感染予防のためマスク姿でマイクを付けての熱演。どの「舞台」でも笑顔と拍手が絶えなかった。(小沢邦男)

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