広瀬章人八段、藤井聡太竜王に2勝目 負けられなかったもう一つの訳
将棋の第35期竜王戦七番勝負(読売新聞社主催)の第5局が26日、福岡県福津市で前日から指し継がれ、挑戦者の広瀬章人八段(35)が藤井聡太竜王(20)=王位・叡王・王将・棋聖と合わせ五冠=に133手で勝ち、シリーズ成績2勝3敗とした。踏みとどまった白星は、ただの「2勝目」ではない。27日を晴れやかな祝福の日にするために、なんとしても手にしたい1勝だった。
盤上は挑戦者の先手で相懸かりに。中盤、広瀬が攻勢を取ろうとした局面で藤井が放った反撃の一打がクリーンヒットしたようにも見えたが、挑戦者は耐え忍びながら好機を待った。
飛車角の応酬の中で竜王が珍しく緩手を指すと、形勢逆転。挑戦者は持ち前の終盤力を発揮して揺るがずに勝ち切った。
藤井聡太竜王から2勝目をあげた広瀬章人八段。じつはこの翌日は、広瀬八段にとって負けて迎えられない理由のある、特別な日でした。
局後の広瀬は「最後の最後ま…