今後5年の防衛費、15兆円前後の増額で調整 総額40兆円台視野に
岸田政権が掲げる防衛力の抜本強化をめぐり、2027年度まで5年間の防衛費総額について、政府は40兆円台を視野に、前回の計画から15兆円前後増額する方向で調整している。歴史的な増額分をまかなうための新たな財源が必要となるが、政府の歳出改革への覚悟は見えず、国民に増税を求める環境が整っているとは言い難い。
自衛隊の装備品購入などを計画的に進めるために、政府は5カ年の防衛費の総額を、中期防衛力整備計画で決めている。安保関連3文書の一つで、新しい計画では名称から「中期」を外し、10年後も見据えた内容とする考えだが、総額は引き続き5年間を示す方針だ。政府は年内の改定をめざす。
複数の政府関係者によると、防衛省は抜本強化に必要な積み上げで約48兆円を求めているのに対し、財務省は財源の制約があることから30兆円前半に圧縮したい意向だ。このため、最終的には政治判断に委ねられるが、40兆円前後でまとめる方向で調整が進む。
今の2019年度からの計画…
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